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アラフィフのつれづれ

銀河鉄道の父、コンビニ人間

読書の冬です。

銀河鉄道の父 第158回直木賞受賞

銀河鉄道の父 第158回直木賞受賞

先週、「銀河鉄道の父」という宮沢賢治のお父さんをテーマにした本を読みました。
直近の直木賞受賞作です。(ゆ)に薦められ、会社の図書室で借りました。
非常に読みやすい文体で、サクサク読めます。
(以下↓ネタバレあり)

宮沢賢治って「清貧」なイメージですけど、
実はけっこうな地主のお坊ちゃんで、裕福なお父さんの援助のおかげで、
自由に創作活動ができてたんだそうです。知らんかったな〜

それでも、親の生活スタイルとは合わないからと、近所に親が借りた家に住み
そこで畑を作って「雨にも負けず・・・」を書いたり、農家さんに営農指導したり
いわゆる清貧ライフ(もどき)を送っていたそうです。
でも、虚弱体質で、作品がようやく認められ出したころには、
親の心配通り、結核にかかって、看病虚しく、死んでしまいました。

父は、利発な賢治を愛していて、陰日向となり応援していました。
しかし、現代とは、親子の関係性が違う点が何度も強調されます。
子供を深く愛しているのに、それをおおっぴらに示せない時代。
賢治も、親の願う人生はどうにも生きられなかったけれど、父のことは尊敬し、慕っていたようです。
時代もあるよなぁと、すれ違う親子に、後半はとても気の毒でなりませんでした。
父親目線のもどかしい気持ちがとてもよく描かれていたと思います。
せめて、もうちょっと賢治の体が丈夫だったなら、親子仲良く過ごす時間も持てただろうになと思いました。

もう一冊は、「コンビニ人間」。こちらはひとつ前の芥川賞

コンビニ人間 (文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)

Audibleで、オアシズの大久保さんの朗読で聴いています。
いわゆるアスペルガー気味の女性が、コンビニで働くことに関しては、こと完璧な店員を全うしているというお話です。
「ルーチンなら得意」ってやつですね。

まだ半ばなのですが、世代的に描写の感覚が合うのか、映像で見てるようにイメージできます。
クリーンなコンビニのなかで、淡々と働く女性。
そのふるまいはごく自然に見えるけど、実は他の人を観察して真似ているもの。

朗読に、さして滑舌が良いわけでもない大久保さんが選ばれた理由は謎めいていますが、
そんなに悪くなかったです。(どちらかというと、主人公より主人公の同僚のイメージに近い)

弾みがついたので、もうちょっと何か読みたいな〜
最近、地元の図書館がご無沙汰なので、会社の図書室を覗いてみたいと思います。