閉鎖病棟~狂える日本人
面白かった。精神病院での入院生活を、何人もの患者の視点を介して描いていく。診る側診られる側、お互いの相手に対する捉え方がわかるので、だんだん、彼らは別にすべてにおいておかしいわけじゃない、少し箍ははずれてるかもしれないけれど、頭の中は案外クリアーで、何より心に正直に生きている人たちなんだとわかる。病院をとりまく人たちの態度はほとんど冷たいのだけど、そんななか、婦長さんの患者に対する態度にとても好感をもてた。受賞作というアオリに負けてない読み応え。話がいくつものパートに分かれてるけど、ラストにしっかり結実してくる。そんな構成も◎。
- 作者: 帚木蓬生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/04/25
- メディア: 文庫
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もう一冊は、アシモフの「夜来る」
有名な古典ということで読んだ、初アシモフ。長編読了後、草案ともなった短編も読んだけど、どっちも展開が想像できるわりに、なかなか進まずまわりくどい印象。昔は画期的な設定だったんだろうけど、今はな、という感じ。
- 作者: アイザックアシモフ,ロバートシルヴァーバーグ,Isaac Asimov,Robert Silverberg,小野田和子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1998/06
- メディア: 文庫
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